クレートトレーニングの進め方とグッズ|4段階で「安心できる場所」にする手順
公開: 2026-09-04 / 最終更新: 2026-09-04
広告を含みます。レビュー・比較の方針
クレートトレーニングの本質は「閉じ込める練習」ではなく「クレート=安心できる良い場所」と覚えてもらうこと。①扉を開けたまま良い場所と認識させる→②中で食べる・遊ぶ→③短時間だけ扉を閉める→④閉める時間を少しずつ延ばす、の4段階で進めるのが基本です。
必要なグッズは2つに絞れます。土台になるクレート本体(リッチェル キャンピングキャリーのようなハードタイプ)と、中で夢中になって過ごす時間を作る詰め物おもちゃ(KONG クラシック)。「中に良いことがある」状態を作るのがグッズの役割です。
進むペースには個体差があり、「◯日で完了」という決まった目安はありません。段階を飛ばさず、犬が嫌がったら1つ前の段階に戻るのが最短ルート。クレートを罰として使わない・いきなり閉じ込めから始めない、の2原則だけは崩さないでください。
購入前に確認したい条件
- クレートを「いたずらの罰として入れる場所」にしたい人(罰と結びつくとクレートが嫌いな場所になり、トレーニング自体が成立しなくなる)
- 今日中・数日中に留守番で使える状態にしたい人(段階を飛ばして閉じ込めると逆効果になりやすく、短期完成を約束できる方法ではない)
- 留守番のたびに激しい鳴き・破壊・自傷などが続いている犬の家庭(強い分離不安が疑われる場合、グッズと自宅トレーニングだけで解決しようとせず、獣医師やトレーナーへの相談を先に検討してください)
はじめに: 2つの原則 —「罰に使わない」「閉じ込めから始めない」
進め方の前に、崩してはいけない原則が2つあります。①クレートを罰として使わない。 叱った流れでクレートに入れると「クレート=嫌なことが起きる場所」と学習し、以降の全段階が進まなくなります。②いきなり扉を閉めて閉じ込めることから始めない。 最初の体験が「出られない」だと、クレートへの警戒心が強く残ります。クレートトレーニングは「入れる練習」ではなく、犬が自分から入りたくなる場所を作る練習です。
段階①: 扉を開けたまま「良い場所」と認識させる
クレートを生活空間の落ち着ける場所(人の出入りが少なく、家族の気配は感じられる場所)に置き、扉は開けっぱなしに固定します。扉が風で閉まると驚かせてしまうので、初期は外すか固定するのが安全です。中に敷物を入れ、床におやつを数粒置いて、犬が自分から入るのを待ちます。入ることを強制せず、入ったら静かに褒める程度に。この段階のゴールは「クレートの中に入ると良いことがある」と気づいてもらうことです。上扉付きのクレートなら、上からおやつを入れられるので警戒中の子にも渡しやすくなります。
段階②: 中で食べる・遊ぶ — 詰め物おもちゃの出番
自分から出入りするようになったら、食事や遊びをクレートの中に移します。フードボウルを奥に置いて食べさせる、またはKONGのような詰め物おもちゃにフードやペーストを詰めて中で渡すのが定番です。詰め物おもちゃの利点は「中で過ごす時間」が自然に延びること。食べ終わったら出てよし、のままでかまいません。ここで「クレートの中=集中して楽しめる場所」という上書きができると、次の段階がぐっと楽になります。扉はまだ閉めません。
段階③: 食事・おもちゃに集中している間だけ、短時間扉を閉める
中で落ち着いて食べたり遊んだりできるようになったら、集中している間だけ扉を閉め、食べ終わる前に開けます。最初は数十秒〜数分の「気づいたら閉まってた、でもすぐ開いた」レベルから。犬が扉を気にして食べるのをやめる・鳴く・引っかくようなら時間が長すぎるサインなので、段階②に戻します。鳴いている最中に開けると「鳴けば開く」と学習しやすいため、そうなる前の短い時間で切り上げるのがコツです。飼い主は見える位置にいてください。
段階④: 扉を閉める時間と距離を少しずつ延ばす
扉を閉めても平然と過ごせるようになったら、閉める時間を数分→十数分と少しずつ延ばし、並行して飼い主が部屋を出入りする練習を足します。長めの時間には、フードを詰めて冷凍したKONGなど「食べ終わるのに時間がかかる詰め物」が役立ちます。進むペースは個体差が大きく、数週間単位でゆっくり進む子も珍しくありません。うまくいかない日があれば1〜2段階戻る、を繰り返すのが結局いちばんの近道です。休息の場所として定着すれば、通院・車移動・防災時にもそのまま活きます。
状況別のおすすめ
段階①でつまずく: そもそもクレートに近づかない・警戒して入らない
→ リッチェル キャンピングキャリー
扉を固定して開けっぱなしにし、置き場所を家族の気配がある静かな場所に変えて数日待つ。上扉付きモデルなら上からおやつを落とせるので、入口をくぐる警戒心が強い子にも「中に良いことがある」を教えやすい。
段階②〜③でつまずく: 中に長くいられない・扉を閉めるとすぐ鳴く
→ KONG コング(クラシック・レッド)
フードやペーストを詰めたKONGを中で渡し、「集中して過ごせる時間」を作ってから扉の練習に戻る。取り出しに時間がかかる詰め方(奥に大きめのフード、冷凍など)にすると、扉を閉められる時間を無理なく稼ぎやすい。
リッチェル キャンピングキャリー — トレーニングの土台になる「安心できる箱」
ハウストレーニングから通院・車移動・防災まで使えるハードタイプのクレート本体
リッチェル / クレート・キャリー
目安価格: 3,500〜8,000円前後(サイズによる)
- ○ハードタイプの囲われ感で「落ち着ける巣穴」を作りやすく、慣らしの土台に向く
- ○上扉付きモデルは段階①〜②でおやつ・おもちゃを上から入れられて扱いやすい
- ○トレーニングが完成すればそのまま通院・車移動・防災用ハウスとして使える
- △布製より重く収納場所を取るため、置きっぱなしにできる定位置が必要
ハードタイプで壁面の囲われ感があり、「巣穴のように落ち着ける場所」を作るトレーニングの土台に向きます。上扉付きモデルは段階①〜②でおやつやおもちゃを上から渡せるのが実用的です。価格は3,500〜8,000円前後(サイズによる。2026年9月時点の楽天参考価格はMサイズ相当で約7,500円。変動あり)。
こんな条件なら
- 子犬期・迎えたばかりの時期からクレートトレーニングを始めたい家庭
- 普段のハウスと通院・車移動・防災用を1台で兼ねたい飼い主
- 囲われた狭い場所のほうが落ち着いて休めるタイプの小型〜中型犬
ここは注意
- 成犬時に中型犬の範囲を超える見込みの犬(対応サイズがない)
- 体が伸ばせるサイズ(体長より一回り大きい内寸)を選ぶ。サイズ選びの詳細は別記事「犬のクレートのサイズ選び方」を参照
KONG コング(クラシック) — 「中で夢中になれる時間」を作る詰め物おもちゃ
フードやペーストを詰めてクレート内で夢中になれる時間を作る、天然ゴム製の定番詰め物おもちゃ
KONG / 噛むおもちゃ
目安価格: 購入先でサイズ別の価格・送料を確認
- ○フードを詰めるとクレート内で夢中になる時間ができ、段階②〜③の扉の練習を進めやすい
- ○詰め方(奥に大きめのフード・冷凍)で難易度を調整でき、段階④の時間延ばしにも使える
- ○天然ゴム製で丸洗い可能。XS〜XLの体格別展開で子犬から使える
- △詰め物の準備が毎回必要で、詰めた分のカロリーは食事量から差し引く管理がいる
中空構造にフードやペーストを詰められ、取り出すのに時間がかかるため「クレートの中=集中して楽しめる場所」の上書き(段階②〜④)に使いやすい定番品です。丸洗いできるので中で毎日使っても手入れが楽です。価格は700〜2,500円前後(サイズによる。2026年9月時点の楽天参考価格はSサイズで約1,000円。変動あり)。
こんな条件なら
- クレートの中で落ち着いて過ごす時間を作りたい家庭
- 退屈しやすく、集中できる遊びがあると落ち着くタイプの犬
- 将来的に留守番時の一人遊びおもちゃとしても使い回したい飼い主
ここは注意
- 体格に対して小さいサイズは誤飲リスクがあるため、公式サイズガイドで適正サイズを選び、破損・欠けが出たら交換する
写真はSサイズの例です。赤いクラシックのサイズを選び、子犬用やシニア用など別ラインと区別してください。購入先はサイズ確認のため商品検索です。
よくある質問
Qクレートトレーニングはどのくらいの期間で完了しますか?
決まった目安はありません。数日で段階③まで進む子もいれば、段階①に数週間かかる子もいて、個体差が非常に大きいのが実際です。「◯日で完了」をゴールにすると段階を飛ばしがちになり、かえって遠回りになります。犬の様子(自分から入るか・中で落ち着いているか)だけを進級基準にしてください。
Qクレートに入れると鳴きます。鳴き止むまで出さないほうがいいですか?
鳴くのは段階の進みが早すぎるサインなので、まず1つ前の段階(扉を閉めない・時間を短くする)に戻すのが基本です。一方で、鳴いている最中に扉を開けると「鳴けば開く」と学習しやすいという難しさもあります。理想は「鳴く前の短い時間で切り上げて成功で終える」こと。鳴かせ続けて我慢比べをする方法はおすすめしません。
Qいたずらをしたときにクレートに入れて反省させてもいいですか?
おすすめしません。叱られた流れでクレートに入れられる経験が重なると、「クレート=嫌なことが起きる場所」と結びつき、自分から入らなくなります。クレートは休息と安心のための場所として一貫させ、罰やタイムアウトには使わないでください。
Q留守番のたびに激しく鳴いたり、クレートや周囲を壊したりします。トレーニングで直りますか?
留守番のたびに激しい鳴き・破壊・自傷・粗相などが続く場合、単なる「クレート未経験」ではなく分離不安が関わっている可能性があります。その場合、クレートトレーニングだけで対処しようとするとかえって悪化するケースも指摘されています。まず獣医師(行動診療を扱う病院)やドッグトレーナーに相談し、全体の計画の中でクレートの使い方を決めることをおすすめします。
QKONGにはどんなものを詰めればいいですか?
最初はいつものドライフードを数粒+出やすい配置で「簡単に取れる」レベルから始め、慣れたら奥に大きめのフードを入れる・ペーストを塗る・冷凍するなどで取り出し時間を延ばしていきます。詰めた分のカロリーは1日の食事量から差し引いて調整してください。丸洗いできるので、使用後は洗って清潔に保ちます。
結局どれを選べばいい?
クレートトレーニングは、①扉を開けたまま良い場所と認識させる → ②中で食べる・遊ぶ → ③集中している間だけ短時間扉を閉める → ④時間と距離を少しずつ延ばす、の4段階で進めます。グッズは土台のクレート本体(リッチェル キャンピングキャリー)と、中で夢中になる時間を作る詰め物おもちゃ(KONG クラシック)の2つで十分です。「罰に使わない」「閉じ込めから始めない」の2原則を守り、つまずいたら1つ前の段階に戻ること。ペースは個体差が大きいので、日数ではなく犬の様子で進めてください。留守番時の激しい鳴きや破壊が続く場合は、自宅トレーニングだけで抱え込まず獣医師・トレーナーに相談を。
参考資料と確認日
本記事の製品情報はリッチェル公式・KONG公式の製品仕様(2026年9月確認)に基づき、外部レビューの転載は行っていません。トレーニングの4段階は、一般に紹介される段階的馴化(扉を開けた慣らし→中での給餌→短時間の扉閉め→漸進的な時間延長)の手順を構造化したもので、進行ペースは個体差が大きいため所要日数の目安は記載していません。ペットのコメントは製品仕様・犬の一般的な行動傾向を根拠にしたキャラクター表現であり、特定個体の体験談ではありません。価格は市場変動があるため幅で記載し、参考価格は楽天市場2026年9月時点の目安です。
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